2018年10月28日

国の行政機関における障害者雇用に係る事案に関する検証委員会報告書を読んで。

10月22日付で公表された「国の行政機関における障害者雇用に係る事案に関する検証委員会報告書」を読みました。
先日来次々と明るみに出ていた省庁等の障害者雇用水増し問題です。

ひどい……。ひどすぎます。
障害者手帳も診断書も必要とせず勝手に障害者とカウント。
自己申告に基づいてカウントというのも無茶苦茶で、これは遵守していた省庁からは「身上申告書とか、何でそれが障害者ということを認定する事実になるのかという素朴な疑問がある」とのコメントも出ていたりして、ほんとそれ、私も素朴に疑問に思います。
さらには「視認」。お医者さんでもない職員が他の職員を見て「あれは障害者だ」と判断していたということでしょうか。
障害基準も矯正して0.1以下であるべきものを裸眼で0.1以下をカウントするなどあまりにも杜撰です。目の悪い人でしたらお分かりになると思いますが、矯正できるかどうかというのは死活問題で、矯正してそこそこの視力が出るのであれば不便ではあれ障害というレベルではないです。そして裸眼で0.1以下ぐらいの人でしたら世の中たくさんいて、矯正できさえすればそれなりに普通に社会生活を送っています(私自身もレーシックをするまで長年0.1以下の視力でした)。
さらには障害の種類として、国税庁では「適応障害一歩手前」って……。一歩手前って何ですか、一歩手前って。
更には基準時に在籍していなかった者が数十名という単位でいる省庁もありました。退職者をそのままカウントし続けているというのもひどい話ですが(中には10年も前に退職した人も!)、過去一回も在籍すらしたことのない人をカウントしていたなんてなるともはや何が何をどうカウントしたんだか、謎すぎます。どう考えても不適切計上というような言葉ではなく、ねつ造でしょう。

これに対して検証委員会は不適切な行為の原因は厚生労働省と各行政機関の対応の両方に問題があるとしていて、特に「国の行政機関における障害者雇用の実態に関する関心の低さ」を挙げています。
確かに、これはあまりにもいい加減に過ぎる各省庁の不適切な対応ばかりが話題になっていますが、なぜ民間企業に対しては厳しいチェックを行う厚生労働省が国の行政機関に対しては長年このような実態があるにも関わらず看過してきたのかは考えるべき点だと思います。「民間企業の達成率が50%程度であるにもかかわらず国の行政機関がほぼ達成しているということであればその違いが何に由来するか制度所管官庁としてもっと関心をもつべきだった」という指摘は至極ごもっともです。

全70ページの報告書ですが、こういう報告書の割には簡潔で読みやすい文章です。
また、こんなものだらだらと余計な時間をかけてみんな忘れた頃にこそっと誰にも気づかれないように出すのだろうと思っていたので、これだけの短期間できちっと発表したことは評価したいと思います。

この不祥事を受けて行政機関等では今後障害者雇用を急速に進めていくようです。
ですが、今度は人数合わせ、数だけのつじつまがあっていればいい、の雇用にならないでしょうか。
いわゆる「お客様」状態です。いてくれればいい、何もしないでいい。
だって、10年も前に退職した人もカウントしていたようなところです。その人が担当している仕事があれば絶対気づいていたはずですよね。いてもいなくても気づかれない。そういう人がどういう仕事をすることになっていたのか気になります。
もちろん法定雇用率の遵守は大切です。でもどうか中身のある雇用であって欲しいと思います。

そしてここからは宣伝です。
企業の皆様、特に外資系企業の皆様。こうやって省庁が大量に障害者雇用に走ることになれば当然障害者の求人市場は激戦が予想されます。やはりそうはいっても公務員というのは魅力ですから。そのような中、自社に即した人材を採用するには早めの対応が必要となります。
障害者の皆様、特に発達障害者の皆様。退職しても気づかれないような職場で働きたいですか? それより外資系企業で英語や外国の価値観に触れながら、自分の得意分野で貢献していきたいと思いませんか。
当社では企業、就労移行支援事業所、障害者ご本人、それぞれの方々からのご相談をお待ちしています。
posted by 大住 at 20:00| 仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする